このページの要点
- 重要事項説明書の電磁的提供は、申出、方法の種類・内容の提示、承諾、出力できること、承諾しない旨の申出への対応が条件
- 電磁的方法で行えるのは「交付」。説明と同意は別に必要で、同意の記録は誰が・いつ・何に同意したかを後から確かめられる設計にする
- 家族や職員の代理入力、口頭同意は、入力した人・続柄・本人の意思の確認方法を記録する
- 障害のある人には障害特性に応じた配慮をし、紙や対面の選択肢を残す。サービス提供記録は利用者の確認と保存期間を押さえる
介護・福祉サービスでも、契約書をウェブ上で交わしたい、重要事項説明書をメールで送りたい、申込みフォームで同意をもらいたい、という要望は増えています。遠方に住む家族が契約に関わる場面や、来所が難しい利用者の場面では、特に切実です。運営基準も、この流れを受けて、書面で行うことになっている交付・説明・同意・承諾・締結を、相手方の承諾を得て電磁的方法で行えるようにしています。ただし、「電子でもよい」と言えるのは、定められた条件を満たした場合に限られます。
このページは、(1) 電子化できる書類の整理、(2) 重要事項説明書を電磁的方法で提供する要件、(3) 承諾の取り方、(4) フォームでの同意を証拠として残す方法、(5) 家族や職員が代わりに入力する場合の記録、(6) 障害のある人や高齢の利用者への配慮、(7) サービス提供の記録の確認と保存を、条文に沿って整理します。結論を先に挙げると、次の四点です。第一に、電磁的方法による提供は、あらかじめ方法の種類と内容を示して、承諾を得てからにする。第二に、利用者が出力して文書にできる形で提供する。第三に、承諾しない旨の申出があれば、電磁的方法を使ってはならない。第四に、フォームでの同意は、誰が、いつ、何に同意したかが後から確かめられるように記録を設計する。電子契約サービスの機能比較や、特定の製品の評価には立ち入りません。
電子化できるものと、整理が必要なもの
まず、事業所が扱う書類を、運営基準の上での位置づけ別に見渡します。「電子にしてよいか」の答えは、書類の種類によって違います。
書類ごとの電子化の考え方(運営基準・関連法令)
| 書類・行為 | 電子化の根拠・考え方 | 条件・注意点 |
|---|---|---|
| 重要事項説明書の交付 | 申込者またはその家族の申出と承諾を得て、電磁的方法で提供できる。提供したときは、文書を交付したものとみなす(居宅基準8条2項) | 方法の種類と内容を示して承諾を得る(8条5項)、出力して文書にできること(8条3項) |
| 契約の締結・同意・承諾など、書面で行うことが規定または想定されている行為 | 相手方の承諾を得て、書面に代えて電磁的方法によることができる(居宅基準217条2項、障害基準224条2項) | 障害のある利用者に対しては、障害の特性に応じた適切な配慮が必要(障害基準224条2項) |
| 作成・保存する書類・記録 | 書面で作成・保存することが規定または想定されているものは、電磁的記録で行うことができる(居宅基準217条1項、障害基準224条1項) | 一部の規定は適用の対象から除かれている(たとえば障害基準では、受給者証への記載を定める10条1項などが除外されている) |
| 社会福祉事業の利用契約が成立したときの書面 | 利用者の承諾を得て、書面の交付に代えて電磁的方法により提供できる。交付したものとみなす(社会福祉法77条2項) | 利用者の承諾が前提。障害福祉サービスでは、障害特性への配慮が必要(障害基準9条2項) |
| サ高住の契約締結前の書面 | 入居しようとする者の承諾を得て、電磁的方法により提供できる(高齢者住まい法17条2項) | 詳細は有料老人ホーム・サ高住の入居契約のページ |
| 契約そのもの | 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式は要らない(民法522条2項)。ただし、特定施設は文書による締結が求められる(居宅基準178条1項) | 文書による締結を求める定めの場合も、電磁的方法によることができるかは、217条2項などの条文で確認する |
「契約書を電子にしてよいか」という問いは、実は二つに分かれます。契約の成立そのものについては、民法522条2項により、書面は原則として要りません。口頭や、メールや、フォームの送信でも、申込みと承諾が合致すれば契約は成立します。一方、運営基準や社会福祉法が「書面で」「文書で」と定める行為については、電磁的方法で行うための条件が別に定められています。電子で契約を交わせるかどうかではなく、基準が求める文書の交付や同意を、電子で満たせるかを確かめる、という順序で考えるとすっきりします。
重要事項説明書を電磁的方法で提供するときの要件
訪問介護の例で、居宅基準8条2項から6項までの要件を整理します。他のサービスにも同様の規定が置かれています(特養基準4条2項〜、障害基準でも224条2項などで定められています)。
重要事項説明書を電磁的方法で提供する流れ(居宅基準8条の例)
- 申込者またはその家族からの申出事業者は、利用申込者またはその家族からの申出があった場合に、文書の交付に代えて、電磁的方法により重要事項を提供できる(8条2項)
- 方法の種類と内容を示すあらかじめ、用いる電磁的方法の種類(電子メールによる送信、ウェブ上での閲覧とダウンロード、記録媒体の交付のいずれか)と、ファイルへの記録の方式(ファイル形式など)を示す(8条5項)
- 承諾を得る示した内容について、利用申込者またはその家族から、文書または電磁的方法による承諾を得る(8条5項)
- 電磁的方法で提供する承諾を得た方法で重要事項を提供する。この場合、文書を交付したものとみなされる(8条2項)
- 利用者が出力できる形にする利用申込者またはその家族が、ファイルへの記録を出力して文書を作成できるものでなければならない(8条3項)
- 承諾しない旨の申出があったとき文書または電磁的方法により、電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、電磁的方法で提供してはならない。ただし、再び承諾した場合は除く(8条6項)
この流れは重要事項説明書の「交付」に関するものです。重要事項の「説明」を行い、「同意」を得る行為そのものを電子で行う場合は、217条2項などの条文により、相手方の承諾を得て行います。
実務上の注意点を三つ挙げます。一つ目は、「説明」と「交付」は別の行為だという点です。条文は、文書を交付して説明を行い、提供の開始について同意を得ることを求めています。電磁的方法で提供するのは「交付」の部分であり、説明を省略してよいわけではありません。説明は対面でも、オンライン通話でも構いませんが、説明を行った事実と、相手が理解したことを示す記録を残す必要があります。重要事項説明書の中身は重要事項説明書の書き方のページで整理しています。
二つ目は、「出力できる」という条件です。ファイルをウェブ上で閲覧するだけで、ダウンロードも印刷もできない仕組みでは、この条件を満たしません。高齢の利用者や家族がスマートフォンでしか閲覧できない環境にある場合も想定して、紙で渡す選択肢を残しておくのが現実的です。
三つ目は、承諾の撤回です。承諾は一度得れば永続するものではなく、利用者側から「紙にしてほしい」と申し出があれば、その後は電磁的方法で提供できません。申出を受け付ける窓口と、紙への切り替え手順を決めておく必要があります。
承諾の取り方:方法の示し方と、承諾文言の例
承諾が有効といえるためには、承諾する側が、何に承諾するのかを理解していなければなりません。居宅基準8条5項が、用いる電磁的方法の種類と内容をあらかじめ示すことを求めているのは、そのためです。承諾書や承諾の画面には、少なくとも次の点を書いておきます。
書き方の例電磁的方法による重要事項の提供についての承諾(書き方の一例)
- 事業者は、重要事項説明書を、次のいずれかの方法により提供する。(1)電子メールの添付ファイルによる送信 (2)事業者のウェブサイトの利用者専用ページでの閲覧およびダウンロード (3)記録媒体(USBメモリなど)の交付。ファイルの形式は、閲覧に一般的なソフトウェアで開くことができる形式(PDF)とする。
- 利用者(またはその家族)は、前項の方法により重要事項説明書の提供を受けることを承諾する。この承諾は、利用者が事業者に対して、書面または電子メールで、電磁的方法による提供を受けない旨を申し出ることにより、いつでも撤回することができる。
- 利用者が前項の申出をしたときは、事業者は、以後、重要事項説明書を書面で交付する。
- 利用者は、提供を受けたファイルを、自己の端末で出力して書面とすることができる。出力が困難な場合は、事業者に申し出ることにより、書面の交付を受けることができる。
承諾の画面や承諾書は、契約の申込みの画面と別にして、チェックボックスだけで済ませない形にすると、何に承諾したのかが後で確かめやすくなります。
書き方の例(一般的な例) 承諾の取り方
承諾の対象
理由居宅基準8条5項は、方法の種類と内容を示して承諾を得ることを求める。「電子的な方法」とだけ書いても、示したことにならない
承諾する人
理由条文は、利用申込者またはその家族の承諾を求める(8条2項・5項)。誰が承諾したかが分からないと、後から承諾の有無を確かめられない
紙への切替え
理由居宅基準8条6項は、申出があったときは電磁的方法で提供してはならないとする。申出の方法を契約書に書いておくと、現場の運用が揃う
フォームでの同意を、証拠として残す
申込みフォームで「同意する」にチェックを入れて送信する形は、手軽で、遠方の家族とのやり取りにも便利です。ただし、この形の同意は、紙の署名と違って、誰が、いつ、何に対して同意したのかが、画面上の表示と記録に左右されます。トラブルが起きてから「同意していない」「内容が違う」と言われたとき、事業者の側が確かめられるように、設計の段階で証拠を意識しておく必要があります。
法律の上では、電磁的記録について、本人による電子署名(本人だけが行うことができるもの)が行われているときは、真正に成立したものと推定されます(電子署名及び認証業務に関する法律3条)。ただし、この推定が働くのは、要件を満たす電子署名があった場合です。フォームのチェックボックスやメールの返信は、それ自体が当然にこの推定を受けるわけではなく、同意の事実は、ほかの記録で補って示すことになります。電子署名の技術的な区分や、特定のサービスの評価には立ち入りません。
フォーム同意の記録を設計するときの確認事項
- 同意の対象の文書(契約書、重要事項説明書、個人情報の同意書)が、同意の画面で閲覧できる状態になっているか。閲覧のあとに同意できる順序になっているか
- 同意の文言が、何に同意するのかを具体的に書いているか(「上記に同意する」だけで、「上記」が画面から消えていないか)
- 同意した日時、同意した人の氏名、メールアドレスなどの識別情報が、改変できない形で記録されているか
- 同意した時点の文書の内容(版)が保存され、あとから文書を差し替えても、同意した当時の内容が確認できるか
- 同意の控え(同意した内容の写し)が、利用者または家族に自動で送られるか
- 契約書そのものは、成立後に利用者へ交付されるか(社会福祉法77条1項の書面は、契約の成立後に遅滞なく交付する)
- 同意の撤回や、内容の訂正の申出を受け付ける窓口があり、受け付けた記録が残るか
消費者がウェブ画面で契約の申込みや承諾の操作をする場合、操作ミスによる誤った申込みが問題になることがあります。電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律3条は、消費者が電子計算機の画面を介して申込みなどを行った場合の、操作の誤りによる錯誤について、事業者が申込みの前に意思の有無について確認を求める措置を講じていない限り、民法95条3項(重大な過失がある場合は取り消せない)の規定を適用しないとしています。つまり、事業者が申込みの前に確認画面を設けるなどの措置を講じていないと、消費者が重大な過失によって誤った操作をした場合でも、錯誤による取消しが主張されうるということです。申込みの画面に「入力内容の確認画面」を挟む設計は、このためにも意味があります。
また、契約の内容として「当事業所の利用規約に同意する」という形をとる場合は、定型約款の規定との関係も出てきます。定型取引を行うことの合意をした者は、定型約款を契約の内容とする旨を合意したとき、または事業者があらかじめ契約の内容とする旨を相手方に表示していたときは、個別の条項についても合意したものとみなされます(民法548条の2第1項)。ただし、相手方の権利を制限したり義務を加重したりする条項で、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは、合意をしなかったものとみなされます(同条2項)。定型約款の考え方は契約書の全体像のページでも触れています。
家族や職員が代わりに入力するとき・口頭で同意を受けたときの記録
電子での同意は、利用者本人がスマートフォンやパソコンを操作できることが前提のように見えますが、介護・福祉の現場では、そうでない場面の方が多いかもしれません。家族が代わりにフォームを入力する、事業所の職員が利用者の隣で操作を手伝う、利用者が口頭で同意を示して職員が入力する、といった場面です。これらの場面では、次の点で記録の仕方が問題になります。
代理入力・口頭同意で、記録しておきたい事項
| 場面 | 記録しておく事項 | 注意点 |
|---|---|---|
| 家族が利用者に代わって入力した | 入力した人の氏名と続柄、本人との関係、本人に内容を伝えたか、本人の意思をどう確認したか | 家族に代理権があるかは別問題。署名欄の整理は契約者は誰かのページ |
| 職員が利用者の操作を手伝った | 手伝った職員の氏名、手伝った内容(読み上げ、操作の補助)、利用者自身が内容を理解して同意の操作をしたか | 職員が代わりに「同意する」を選んではいない形にする。同意の主体は利用者本人 |
| 利用者が口頭で同意した(職員が入力) | 同意を受けた日時、場所、立ち会った人、同意を受けた職員の氏名、同意の内容を読み上げて確認した記録 | 口頭の同意を入力した記録であることが分かる形にし、あとで本人に控えを示す |
| 意思を確認するのが難しい利用者 | 確認の方法、確認できた範囲、確認できなかった事項、そのうえで誰が同意したか | 意思が確認できないまま、家族の入力だけで進めない。後見人など代理権を有する人の確認が必要な場面もある |
個人情報の同意は、運営基準が「あらかじめ文書により」同意を得ることを求めています(居宅基準33条3項)。フォームでの同意でこの要件を満たすかどうかは、217条2項(相手方の承諾を得て電磁的方法による)に沿って、同意の記録が残るかどうかが鍵です。家族の個人情報については、家族自身の同意を別に得る必要があります。この点は個人情報と同意書のページで整理しています。
障害のある人・高齢の利用者への配慮と、紙の選択肢
障害福祉サービスの基準は、書面の交付や説明、同意について、障害の特性に応じた配慮を求めています。障害基準9条1項は、利用申込者に係る障害の特性に応じた適切な配慮をしつつ、重要事項を記した文書を交付して説明を行い、同意を得なければならないとしています。同条2項は、社会福祉法77条の規定に基づき書面の交付を行う場合も、利用者の障害の特性に応じた適切な配慮をしなければならないとしています。電磁的方法による交付等についても、相手方が利用者である場合には、障害の特性に応じた適切な配慮をしつつ行うこととされています(障害基準224条2項)。障害福祉サービスの利用契約の全体像は障害福祉サービスの利用契約のページで整理しています。
これを電子化の場面に当てはめると、画面の文字が読めない、操作が難しい、画面上の長い説明を理解しにくい、といった事情がある人には、読み上げ、ふりがな付き、分かりやすい表現への書き換え、紙での交付、対面での説明などの方法を用意しておく、ということになります。電子化は選択肢を増やすためのものであって、紙を排除するものではありません。
サービス提供の記録の確認と、電子での保存
電子化は契約の入口だけでなく、サービスを提供した後の記録にも及びます。障害福祉サービスの基準では、事業者は、サービスを提供した際は、提供日、内容その他必要な事項を、提供の都度記録しなければならず、その記録に際しては、支給決定障害者等からサービスを提供したことについて確認を受けなければなりません(障害基準19条1項・2項)。タブレット端末の画面で確認の署名や押印に代わる操作をしてもらう方法も考えられますが、確認を受けたことが後から確かめられる記録(確認した日時、確認した人、確認の対象となった記録の内容)が残る仕組みが前提です。
介護保険の訪問介護では、サービスの提供日および内容などを、利用者の居宅サービス計画を記載した書面またはこれに準ずる書面に記載するとともに、提供した具体的なサービスの内容などを記録し、利用者の申出があった場合には、文書の交付その他適切な方法により、その情報を利用者に提供しなければなりません(居宅基準19条1項・2項)。これらの記録は、サービスの提供に関する記録として、その完結の日から二年間保存します(居宅基準39条2項)。電磁的記録での作成・保存は、居宅基準217条1項が、書面で行うことが規定または想定されているものを、電磁的記録で行うことができるとしています(除外される規定があります)。
保存の期間中は、記録が改変されていないこと、必要なときに直ちに表示できること、利用者の申出があれば内容を示せることが求められます。クラウド上の記録システムを使う場合は、事業所の外部のサービスに記録を預けることになるため、個人情報の委託先の監督(個人情報保護法25条)や、外国にあるサーバーの場合の整理(同法28条)も、個人情報と同意書のページの内容とあわせて確認します。
起きがちなこと
電子化は、導入の手軽さの反面、「承諾を得ていない」「出力できない」「誰の同意か分からない」という不備が、見えにくい形で積み重なります。導入したときに設計した流れが、現場で崩れていないかを定期的に見直すことが大切です。
起きがちなこと
- 利用者から電磁的方法での提供の承諾を得ないまま、重要事項説明書をメールで送って「交付した」ことにしている
- 承諾の際に、メールかウェブか記録媒体かといった方法の種類や、ファイル形式を示していない
- ウェブ上で閲覧できるだけで、利用者がダウンロードも印刷もできない仕組みになっている
- 利用者が「紙でほしい」と申し出たあとも、メールでの送付を続けている
- フォームの同意の記録が、同意した時点の文書の内容と結びついておらず、文書を更新したあとで、同意の対象を示せない
- 家族が代わりに入力したフォームの記録に、入力した人の氏名や続柄が残っていない
- 障害のある利用者に対して、画面上の長い説明だけで済ませ、読み上げや分かりやすい表現への書き換え、紙での交付などの配慮をしていない
- 電子で残したサービス提供の記録に、利用者の確認を受けた事実の記録がない
よくあるご質問
介護サービスの利用契約を、電子契約サービスで結んでもよいですか。
契約の成立そのものは、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成は要りません(民法522条2項)。ただし、運営基準が書面で行うことを規定または想定している交付・説明・同意・締結については、相手方の承諾を得て、書面に代えて電磁的方法で行うことができるとされています(居宅基準217条2項、障害基準224条2項)。特定施設は文書による契約の締結が求められますが、それも電磁的方法で行えるかは、同条の規定に沿って確かめます。電子契約サービスを使う場合も、相手方の承諾と、同意の記録の整備が前提になります。
重要事項説明書をメールのPDFで送るだけで、説明を済ませたことになりますか。
なりません。条文は、重要事項を記した文書を交付して説明を行い、同意を得ることを求めています。電磁的方法で提供できるのは、文書の「交付」の部分であり、説明と同意は別に必要です。また、電磁的方法で提供するには、利用申込者またはその家族の申出と、方法の種類・内容を示したうえでの承諾が要り、利用者が出力して文書にできる形である必要があります(居宅基準8条2項〜5項)。
利用者が「やっぱり紙がいい」と言ったら、どうすればよいですか。
電磁的方法による提供を受けない旨の申出が、文書または電磁的方法であったときは、事業者は、重要事項の提供を電磁的方法でしてはなりません。ただし、利用者が再び承諾したときは別です(居宅基準8条6項)。申出を受け付ける窓口と、書面での交付に切り替える手順を決めておきます。
フォームで「同意する」にチェックしてもらうだけで、後から証拠になりますか。
チェックボックスの同意は、電子署名法3条の推定を当然に受けるわけではありません。同意の事実は、同意した日時、同意した人の識別情報、同意した時点の文書の内容、同意の控えの送付などの記録で補って示すことになります。記録が弱いと、後から「同意していない」「内容が違う」と争われたときに、事業者の側が確かめられません。画面の設計の段階から、記録の残し方を決めておくことが大切です。
家族が代わりに入力した同意は、有効ですか。
家族に利用者を代理する権限があるか、あるいは家族が利用者の意思を伝える使者として入力しただけか、によって評価が違います。家族が代わりに入力したという事実だけで、利用者本人の同意になるわけではありません。入力した人の氏名と続柄、本人にどう内容を伝え、意思をどう確認したかを記録し、代理権が必要な場面(後見人など)かどうかを確かめておく必要があります。署名や同意の設計の詳細は、契約者についてのページで整理しています。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の契約への当てはめは、サービスの種類、契約書の文言、利用者の状況によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。医療や介護の専門的な判断(身体拘束の要否、ケアの内容の適否など)には立ち入りません。条文は e-Gov 法令検索(法令API)で確認した現行のものに基づき、まだ施行されていない改正は現行の内容として扱っていません。参考: e-Gov法令検索 / 厚生労働省 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会